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前へ 「勝負の方式はダブルバトル、使用ポケモンは二体だ」 俺はナギサジムの床に足を踏み入れている。 最後のジム戦……ナギサジムに挑戦しようとしているのだ。 「では行くぞ! 出て来い、オクタン、デンリュウ!」 「行け! ラグラージ、グレイシア!」 この二体ならば、電気タイプ相手に有利に戦うことのできるはず……勝負! 「オクタン、水の波動を乱れ撃ちしろ!」 オクタンは水の波動をそこらに乱射する。何か作戦があるのか? グレイシアに冷凍ビームを命じる、対象はデンリュウだ。 しかし、冷凍ビームは青い防御壁によって阻まれる。『護る』の技か。 なら今度はオクタンだ。 「ラグラージ、オクタンに瓦割りだ!」 オクタンに接近するラグラージ、オクタンのスピードなら回避するのは困難だ。 「エナジーボール!」 緑色のエネルギーがラグラージに命中する。その攻撃を受けたラグラージは苦しそうな表情を表す。 しまった……ジムリーダー程の実践を積んでいれば、 鈍いオクタンを攻撃されるシチュエーションなど、何度も経験しているはず…… だからこそあそこまで冷静な対処ができたのだ、油断した。 グレイシアの技では、オクタンに大きなダメージを与えることができない。 かといってラグラージで接近すれば、さっきの要領でカウンターを受ける。 一つだけ……一つだけ攻略法があるが……この方法は取れない。 「グレイシア、ラグラージ、デンリュウを集中攻撃しろ!」 二体のポケモンはデンリュウに接近する、護るは連続で使用できないから今度は…… 「デンリュウの援護に行けオクタン、エナジーボール!」 オクタンはラグラージに標準を定め、エナジーボールを発射する。 「目覚めるパワーで相殺しろ、グレイシア!」 紅い球を発射し、エナジーボールを相殺する。 「今だ、冷凍パンチ!」 デンリュウは冷凍パンチを受け、後方に吹っ飛ばされる。 「追撃だ、グレイシア、冷凍ビーム!」 「こっちも冷凍ビームだ!」 グレイシアが発射すると同時に、オクタンも冷凍ビームを発射し、巨大な氷塊が完成する。 「パワージェム!」 吹っ飛ばされていたデンリュウが、不思議な岩でグレイシアを攻撃する。 「グレイシア!」「まだまだ、ラグラージにエナジーボール!」 オクタンがエナジーボールを発射する。駄目だ、回避できない。それなら…… 「傍の氷塊をオクタンにぶつけてやれ!」 冷凍ビームの激突でできた氷塊、これをオクタンに向けて打ち込む。 ラグラージが氷塊を打ち込んだ瞬間、戦闘不能になる。 だが氷塊はオクタンの急所に命中し、オクタンも戦闘不能となった。 「よし、これで一対一だ……」 「残念だったな……この勝負、もう終わった。10万ボルト!」 「そんな位置から届くわけが……」 10万ボルトは、地面を伝ってグレイシアを襲う。その攻撃はグレイシアのHPを一撃で奪い去った。 「馬鹿な……なぜ10万ボルトがここまで……それに威力が強すぎる」 「最初の水の波動でフィールド全体が濡れていた…… 戦っているうちにその水がグレイシアにも付着して、10万ボルトの威力が上昇したんだ」 最初の水の波動乱射にはそんな意味が……… 「君……ポケモン達を労わりすぎてないか?」 「ど…どういう意味だ?」 「さっきの局面、接近せずにラグラージに地震を命じていれば、おそらく俺は敗北していただろう だが君は……グレイシアを気遣って使わなかったんじゃないか?」 そう……なのか?確かに地震を使っていれば、かなり有利に戦闘を進めれたはずだ。 だが無意識のうちに使うのを拒否した。それが…… 「……またの挑戦待ってるよ」 ポケモンを労わりすぎてるか…… ジムを飛び出して、俺は砂浜に足を進め、腰を下ろした。 確かにラグラージ、グレイシア共に相手に決定打を与えられない状況で 地震を使用していれば、一瞬にして状況は変化しただろう。 だが使えなかった……グレイシアを巻き込むのが怖かった、 結局、勝負にも負け、ポケモン達を傷つけた…… それならいっそのこと……駄目だ! それではスモモ戦の時に行った行為と変わらない。ポケモンを道具と見る行為。 そんなの……そんなの…… 思わず頭を掻き毟る。なんだか頭痛もしてきた…… 「どうかなさったのですか?」 背後に目をやる。そこには白いワンピースを着た、俺と同じくらいの少女が居た。 「……誰だ?」 「あたしはミカンと言います。ジョウトのアサギシティで、ジムリーダーをやらせていただいてます。あなたは?」 俺は名前だけを告げる。するとミカンは微笑みながら、俺にこう告げた。 「ここのジムリーダーの方に負けたのですか?」 「ど、どうしてそれを!?」 いきなり確信を突かれ、動揺を隠せない。心を見透かされたのか? 「あたしもジムリーダーです。あたしに敗北した方と同じような表情をしていましたから……」 なんだ……流石に心を見透かすなんてできないよな。 「でも…あなたはその人たちよりも難しい顔をしていますね。私でよければ相談に乗りますよ」 ……この人に相談すれば解決できそうな気がする。 俺は自分の悩みを洗いざらいに話すことにした。 「……そうなのですか、あなたはポケモン思いなんですね」 ポケモン思いか……本当にそうなのか? 自分では分からない。 「あなたのポケモン達を見せていただけますか?」 その質問に黙って頷き、五つのモンスターボールを宙に放り投げた。 ミカンは、しばらくの間俺のポケモンを凝視し続けた。 「どの子もいい目をしています。あなたのことをとても信用しているのですね」 ミカンの話を聞いていると、ルカリオと目が合った。 初めて旅立った時……リオルの頃と比べるとしっかりとした目をしている気がする。 他のポケモン達とも目を合わせる。皆、最初に会った時に比べると目が光っているような気が…… 「あなたのポケモン達は皆あなたを信頼しています。 それはあなたがポケモン達のことを思っているから…… そして、ポケモン達はあなたの期待に応えようとしています」 俺の期待?それは――― 「しかし、あなたはそれを受け取らなかった…… ポケモン達が、あなたの期待に応えようとしているのならば あなたもポケモン達の期待に応えなければならないのです」 ポケモン達の期待に応える……この言葉を聞いたとき、俺の中で何かが吹っ切れた。 「そうか…そうだよな……ありがとう、ミカンさん。またジムに挑戦しに行ってみる」 「そうですか……健闘をお祈りしていますよ」 ミカンは俺を見て再び微笑んだ。 俺は立ち上がり、そしてジムへと一歩ずつ進んでいった。 ナナシ ルカリオLv49、クロバットLv46、ロトムLv45、 ラグラージLv47、グレイシアLv45 「再戦しに来たのか、何か作戦でもできたのかな」 「さぁな、だが今回は絶対に勝利してみせる」 「ほぉ……ならそれを証明してみろ、勝負だ!」 デンジは二つのボールを放り投げる。出てくるのは前回と同じオクタンとデンリュウ。 俺が選択した二体も、前回と同じ、ラグラージ、グレイシアだ。 「同じ二体か……さっきのリプレイにならない様に注意するんだな。オクタン、水の波動を乱射しろ!」 さっきと同じか…… 「グレイシア、オクタンに向けて水の波動だ!」 グレイシアがリング状の水をオクタンに放つ。 それは命中したものの、オクタンはまるで効いていないような涼しい顔をしている。 だがデンジはそれと対照的に、苦い顔をしているのであった。 「大した威力じゃないのに、決定打を打ち込まれたような顔だな」 俺の一言でデンジは顔を歪ませる。 「俺は不思議に思った。なぜフィールドを水浸しにするのに 広範囲を一気に潰せる波乗りでは無く、水の波動を使用したか…… その答えは簡単。波乗りを使用すると、俺達のポケモンだけでは無く お前のポケモンまで濡れてしまうからだ。濡れれば、当然デンリュウの電撃を受けるからな だからお前は自分のポケモンに水技が命中するのは絶対に避けねばならなかった、どうだ?」 沈黙がジム内に訪れる。不思議と口元の筋肉が緩んでいく。 「まさか見抜かれるとはな……だがこれでデンリュウの電撃を防いだと思うな オクタン、冷凍ビームでフィールドを凍らせろ!」 オクタンが冷凍ビームを地面に発射する。濡れていた地面はみるみるうちに凍結していった。 「この隙を逃すか、デンリュウに攻撃だ!」 二体のポケモンがデンリュウに攻撃を仕掛ける しかし、青い防御壁に二体の攻撃は阻まれてしまった。 「このシチュエーションも何度と体験している、簡単に通ると思うな」 いつの間にか水浸しのフィールドは、透き通った氷のフィールドへと変化していた。 だがこれも計算の内……見てろよ 「デンリュウに接近しろ、グレイシア!」 グレイシアは氷の地面を駆け抜けていく。氷のフィールドの力が作用してスピードが上昇している。 「デンリュウ、パワージェムだ!」 宝石のような石を飛ばしが、足場の悪さで狙いを外してしまう。 「冷凍ビーム!」 冷凍ビームを命じると同時に、デンリュウが腕を十字にし体を丸める。 だが俺が狙ったのはデンリュウじゃない……オクタンだ。 不意を突かれたオクタンは、冷凍ビームを諸に受ける。 「不意を突いたつもりか? 効果がいまひとつだぞ」 「ダメージを狙ったわけではない、オクタンを見てみな」 デンジの目前には、下半身が凍結したオクタンが居た。 「体の向きを変えられない以上、デンリュウのサポートをすることはできない。これで事実上の二対一だ」 「ならデンリュウだけで二体倒してやる、掛かって来い!」 デンリュウも体を奮い立たせ、いかにもやる気のあるという面構えになる。 「行くぞ! 冷凍ビーム!」「10万ボルトだ!」 強力な冷気と電撃の押し合いが数秒続き、爆発が起こる。 それにより煙が発生し、ジム内を静寂と共に包み込んだ。 そんな状態が十数秒続く……そろそろだ。 『今だ! 一気に片付けてやれ、冷凍ビームだ!』 俺の声が木霊した数秒後、強力な光を煙の中で感じる。 その光が消えると同時に煙は晴れていった。そこには氷漬けのデンリュウが…… 「な……嘘だろ?」 デンリュウは青い防御壁に包まれている。護るか!? 「油断したな……煙が発生した時点から既に護るのバリアーを貼っていたのだ」 自信満々に笑みを浮かべるデンジ。それを見て手で顔を伏せる。 「ククク……やはりそう来たか、読んでたさ……あんたがこの局面で護るを使うことくらいな」 「な、なに!?」 「俺が見えないフィールド内で行いたかった行動は二つ…… まず一つはグレイシアを俺の近くに戻すこと… そして二つ目は……デンリュウに護るを使わせることだ!」 「まさか……次の攻撃が――」 「ラグラージに飛び乗れグレイシア!」 グレイシアは、ジャンプしてラグラージの頭に飛び乗る。 『地震!』 ラグラージが強大な地震を発生させる。 氷の地面に亀裂が走り、轟音と共に倒壊する。 そして、動くことのできないオクタン、防ぐ術を持たないデンリュウを容赦なく呑み込み 相手のポケモンを、一瞬にして戦闘不能へと追いやった。 「ふぅ……完敗だよ、君みたいなトレーナーには久々に会ったよ これがビーコンバッジ、最後のジムバッジだ」 ビーコンバッジを手渡され、胸の高鳴りを感じる。 これで……これで全てのバッジが揃った。 「ポケモンリーグはナギサシティの北にある海から――」 安堵していた俺の耳に爆発音が飛び込んでくる。 「な、なんだ!?」 爆発音は外から……リッシ湖の方から聞こえる 「緊急事態らしいな……ナナシ君、俺は先に行くから後から駆けつけてくれ!」 デンジはそう言うと急いで去っていく。それと同時にポケッチから電子音が聞こえた。 ナナシ ルカリオLv49、クロバットLv46、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 ――キッサキシティ 俺は父さんの指令を受け、再びここへ訪問した。 指令の内容は「キッサキ神殿にある金剛玉と白玉を入手してこい」というものだ。 そして、俺はキッサキ神殿の入り口へとやってきた。 入り口には一人の女性が立っている。 「ここへ入らせてもらうぞ…」 「この神殿は、ジムリーダーのスズナさんに許可を得なければ入れません」 「……なら、仕方が無いか」 こうはしたくないが、任務は最優先させなばならない。 なるべく相手を傷つけることなく済ませよう。 「ここを通さなければ、少々痛い目にあってもらうことになるが……いいのか?」 傍にクロバットを待機させ、脅す。これで引き下がってくれれば―― 『嫌です! なにをされようとここは通しません!』 「ならクロバ――うっ」 俺の頭の中に血塗れのスネオが浮かび上がる。駄目だ…攻撃できない。 『待ちなさいっ!!』 雪の大地を物ともしない速度で走ってくるその女性は―――スズナ 「ギンガ団なんかは絶対にここには入れないわよ!」 ……こうなった以上、勝負は避けられない。 「波動弾だ、ルカリオ!」 ルカリオの発した波動弾が命中し、マンムーのその巨体は地にひれ伏す。 「そんな……なんて強さなの、私じゃ勝てない」 スズナのポケモン三体は既に全滅した、もう追撃は無いだろう。 「入らせてもらうぞ……キッサキ神殿」 物言わぬスズナを最後に見て、俺はキッサキ神殿内へと足を進めた。 ――キッサキ神殿内部 中は肌寒いうえに暗く、ロトムの明かりを頼りに先に進んでいる状態。 床が凍りついていて一回転倒した。頭が痛い。 下の階に行くごとに肌寒さは増して行き、床の凍りも大きくなっていく。 この下に二つの宝玉はあるのか……それにしては警戒心が無さ過ぎる。 おそらく最下層には何かがある、常に警戒態勢を取れ…… 吐いた息が白く染まる。多分次が最下層だな。 不自然な明かりが漏れ、肌寒さなどまるで感じない。 最下層はまるで別空間のようだ。 だがそんなことはどうでもいい、なぜなら俺の目の前には他とは比較にならないほどの物があるからだ。 そいつは俺より三倍ほども背丈があり、今までに無いような威圧感を受ける。 ……こいつはポケモンなのか?ピクリとも動かない。 動かないなら好都合、さっさと宝玉入手して立ち去るだけだ。 部屋の中央に宝箱のようなものがある、おそらくあれが―― 宝箱に手をかけた瞬間、地面の揺れと共に巨大な物体は動き出した。 そいつはゆっくりと迫ってくる。目標は間違いなく俺。 俺の身長ほどもある拳が迫ってくる、なんとか回避したものの衝撃で吹っ飛んでしまった。 こいつを何とかしなければ、宝玉は持って帰ることは出来ない。 「行け、ラグラージ!」 見た目からはタイプが全く想像できない。唯一つ分かるのはかなりの鈍足だということだ。 「地震だ!」 指示を受け地震を発生させるラグラージ。だがそいつは大してダメージを受けていないようだ。 このことからあの巨人は、飛行、電気、炎、岩、毒、鋼、の可能性は消えた。 「次だ、冷凍パンチ!」 冷凍パンチを命中させるが、先ほどの同じく平気のようだ。 これで、草、ドラゴン、地面、の可能性は消えた。 だが巨人の反撃を受け、ラグラージは痛手を負ってしまった。もう交代させよう。 「戻れラグラージ。行けルカリオ!」 ラグラージと交代にルカリオが姿を現す。 調べた中で残ってるタイプは、ノーマル、悪、格闘、エスパー、虫、氷、水、ゴースト。 その中で可能性的に高いのは、悪、エスパー、ノーマル、格闘、ゴーストの五つ。 この四つならば全てルカリオで探りを入れられるはずだ。 「悪の波動!」 禍々しい波動を巨人に命中させる。今までと大差が無い このことから、エスパー、悪、格闘、ゴースト、は除外される。 となると残りは一つ。ノーマルタイプだ。 『行け、波動弾!』 ――少しずつではあったが波動弾のダメージが蓄積して、ついに巨人を撃退することができた。 倒れている巨人を背にし、宝箱に手をかける。 中には黒い球と白い球、二つの宝玉が収められていた。 これを手に取った瞬間、地面が再び揺れる。 恐る恐る背後に目を向けると、倒したはずの巨人が復活をしていた。 「くそっ……波動弾だ、ルカリオ!」 巨人に波動弾を発射するが、弾かれてしまう。 そのまま突っ込んで――なっ!?早い!! 今までのスピードとは二倍近くの差がある。こんなのじゃ…… 巨人の一撃を受け、ルカリオは戦闘不能になる。 まずい、俺に迫ってくる。 「クロバット、催眠術だぁ!」 ボールから出てきて即座に催眠術を使用する。 そして、そのまま巨人は動きを止めた。 安心してる場合じゃない、催眠術だってすぐに解けてしまうかもしれない。さっさと立ち去ろう。 最後に巨人が追ってこないことを確認し、神殿の階段を登っていった。 ナナシ ルカリオLv51、クロバットLv46、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 クロバットと共に神殿を出ると、いつの間にか雪が降り注いでいる。 数日前の遭難を思い出す、さっさと立ち去ろう。 『ユキメノコ、吹雪だ!』 突然、猛烈な吹雪が襲い掛かってくる。 「お前は……出木杉!」 出木杉がこちらを睨んでくる。まさか―― 「君の正体はのび太君達に聞かせてもらったよ、ナナシ君」 自分の名前を呼ばれ、体中の血液が冷たくなっていく。 これでもう全員に知られたか…… …こいつを突破するのは今の俺の手持ちでは困難、どうする。 「追撃だ、シャドーボール!」 黒い球体がクロバット目掛けて発射される。それを素早く回避するが 二発目が即座に飛んでくる。かなりの素早さだ、こうなったら…… 「黒い霧だ、この辺一帯を包み隠せ!」 「甘い、吹雪で霧を吹き飛ばすんだ!」 黒い霧で辺りが包まれたのも束の間、その僅か数秒後には霧は吹き飛んでしまった。 「そう簡単に僕から逃げれるなんて思わないで欲しいね、シャドーボール!」 ………出木杉は指示を出したものの。ユキメノコは動かない。 「どうしたんだユキメ――馬鹿な!?」 ユキメノコは戦闘不能になっている。だが出木杉の目に飛び込んできたのはそれだけではないはず。 間違いなく……出木杉の目には色違いの白いグレイシアが映っている。 「どうしてここにグレイシアが居るか?って顔してるな そいつは当然俺のポケモンだ、そしてさっきの黒い霧は囮 あれを処理するために、お前が吹雪を使ってくるのは読んでいた その隙にグレイシアを出し、めざめるパワーでユキメノコを仕留めたのさ 雪隠れの特性に加え、そのグレイシアの体色のせいで全く存在に気づかなかったんだな」 こう言うと、俺を乗せたクロバットは上昇を始める。 その光景を見て、出木杉は下唇を噛み締める。 「言っておくがこれを卑怯なんて言うなよ?これはポケモンバトルじゃない それが理解できていなかった時点で、お前の負けは決まっていたんだよ。じゃあな」 グレイシアをボールに戻すと同時に、クロバットは加速した。 ――ギンガトバリビル 「ごくろうだったナナシ、これは受け取っておく」 このビルの最上階には、前回と同じく俺を含むギンガ団重要人物五人が集合していた。 「これで……全ての準備が整った。アグノム、ユクシー、エムリットから 赤い鎖を作り出させ、二つの宝玉も我が手に……私の野望もあと僅かで達成する」 外を見て笑みを浮かべる父さん。これでギンガ団の『野望』も達成されるのか。 『アカギ様大変です!』 突然、部屋の中に一人の団員が入ってくる。息が完全に上がっている。 『どうしたのだっ!?』 「このビルに数名のトレーナーが乗り込んで来ようとしています! 既に周辺の警備をしていた団員は全滅しました!!」 『『『なにぃ!?』』』 周辺に居た団員は五十人近く居たはずだ。それをたった数人で…… 「くそっ……こんな時にぃ、全員で太刀打ちして時間稼ぎをしろ!」 「わ、分かりました!」 団員はそう言うと去っていく。父さんは苛立ちを隠せないようだ。 数人のトレーナー…まさか―― 「これより作戦変更をする、よく聞け!」 父さんの怒鳴り声に近い声で、三人の幹部と俺は前方に目をやる。 「マーズ、ジュピター、サターン、お前らはこれから私と一緒にテンガン山へ付いて来い」 この言葉を聞くと、三人の幹部は揃って返事をする。 「そしてナナシ、お前はここに残って侵入者の足止めをしろ」 侵入者の足止め!?そんなの一人で出来るわけが…… 「分かっている、お前一人では止められないことぐらいはな。 まず制御室で待機し、侵入者を防御壁などで阻む そして戦闘になり、万が一敗北した場合は、制御室からワープした部屋の先に テンガン山へワープできる扉がある、そこからこちらに向かうんだ。 一度転送したら、制御室のワープパネルは作動しないようになっているから安心しろ」 咄嗟の判断でそこまで考えてある……流石は父さん、抜け目がまるで無い。 「分かったな、では付いて来い、マーズ、ジュピター、サターン!」 ――数十分後、ギンガトバリビル制御室 防御壁のほとんどは侵入者に突破された、残された団員もほぼ全滅。 このビルももう終わりだな…… 周囲に目をやる、そこには緑色の液体が入ったカプセルに監禁されている三匹のポケモンが居る。 随分と虚ろな目をしている、思わず目を逸らしてしまう。 さっきから何度もこの行動を繰り返している…… ……侵入者四人のうちの一人がこちらに向かってきている。 決戦は避けられないだろう。リュックの中に入っている五つのモンスターボールを手に取る。 侵入者……その正体はなんとなく掴めている。 だが来て欲しくない、もう―― ……壁越しに足音が聞こえる。もう少しで勝負だ。 心臓の鼓動音は一段と高くなり、冷や汗が出てくる。 来るな――来るな―― その瞬間、爆発音と共に部屋の中に明かりが入ってくるのを感じる。 頑丈なはずの扉が破壊されたのか…… 侵入者の顔が俺の視界に入ってくる。 侵入者の正体は――のび太。 「ナナシ君……だよね?」 「………」 「その仮面外してよ……僕は君のこと知ってるんだから、仮面で顔を隠す意味なんて無いだろ?」 「………」 「……会話する気は無いんだね、じゃあはっきり言うよ」 『ナナシ君、僕は君をここで倒す!!』 暗い部屋にのび太の声が木霊する。 「……ほぉ、やれるものならやってみろ!」 俺はグレイシアのモンスターボールを宙に放り投げる。 「行け、グレイシア! 冷凍ビ―――」 「エテボース、猫騙しだ!」 突然現れたエテボースがグレイシアに攻撃を加える。 「続いてダブルアタック!」 猫騙しで怯んでいるグレイシアに、エテボースは尻尾で二回攻撃した。 二連続で攻撃を受け、グレイシアはゆっくりと崩れる。 「な……」 『僕は絶対に君に負けない……だから次のポケモンを出せ!』 ナナシ ルカリオLv51、クロバットLv47、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 のび太 エテボースLv43 残りの手持ち不明 出木杉 ユキメノコLv46 残りの手持ち不明 倒れているグレイシアをボールに戻す。 「エテボースの特性は『テクニシャン』弱い技の威力が上がる特性… さらにタイプ一致+シルクのスカーフで、威力は数倍にまで跳ね上がっているんだ!」 道具まで使いこなすようになっていたか……ここの警備を突破できただけはある。 「ならこいつでどうだ! 行け、ルカリオ!」 フィールドに姿を現す波動の戦士、その波動に空気が震える。 「君の最強のポケモン……でも負けないよ、ダブルアタック!」 エテボースが軽快なスピードで接近し、尻尾で攻撃を加える。 「無駄だ! 反撃しろ、波動弾!」 尻尾の攻撃を難なく耐え切ったルカリオは、次の瞬間波動弾を発射する。 相性の悪い攻撃を受けたエテボースが、その攻撃を耐えられるはずが無かった。 「相性を考えるんだな、鋼タイプに対してノーマルタイプの攻撃は攻撃は効果いまひとつだ」 「分かってるさ、行け、ムウマージ!」 エテボースと入れ替わって出てきたのはムウマージ、不気味な笑みを掲げている。 「くくく、悪の波動だ!」 禍々しい波動がムウマージを襲う。その攻撃を受けムウマージは地に落ちてしまった。 「波動弾が効かないゴーストタイプを選んだつもりだったのだろうが、 油断したな、そのくらいは対策してあるんだよ」 「……君のルカリオを見てみなよ」 そう言われフィールドに目を移す、そこには魂の抜けたように倒れているルカリオが居た。 「ハッ……まさか」 「道連れを使わせてもらったよ。ごめんねムウマージ」 のび太はムウマージをボールに戻し、仕舞う。 こちらもルカリオをボールに戻し、次のボールを手に取った。 「ロトム!」「アゲハント!」 宙に姿を現す二体のポケモン、これで仕切りなおしだ。 「身代わりだ」 ロトムの体力を少量削り、身代わりの人形が出てくる。 そして、アゲハントはその人形に痺れ粉を吹きかけ始めた。 「補助技を使うことぐらい読んでたさ、そのための身代わりだ」 「なら身代わりを破壊するまでだよ、サイコキネシス!」 念力波が身代わり人形を襲う。それを受け身代わり人形は消滅した。 だが破壊している隙に、電撃波がアゲハントを貫いた。 ロトムはまた身代わりを作る。だがその光景を見てのび太は笑みを浮かべる 「やっぱりそう来たね……だけどこの技は防げないよ、吹き飛ばしだ!」 アゲハントが突風を引き起こす。その突風に身代わりもろともロトムは吹き飛ばされた。 「身代わり状態でも一部の技は通用するんだよ、その一つが吹き飛ばしなんだ」 ロトムと入れ替わりにクロバットが出てくる。 そして、次のクロバットの攻撃でアゲハントは戦闘不能になった。 「ありがとうアゲハント……行け、ライチュウ!」 ついに出てきた……おそらくこいつがのび太の切り札だ。 飛行タイプだから出したのだろうが、こちらの方が素早さは上だ。 一撃で倒せなくとも、次のポケモンに回せば倒せる。 予想通りクロバットが先に動き出し、ライチュウにクロスポイズンを命中させる。 そしてライチュウの10万ボルトで、クロバットは戦闘不能になった。 「ご苦労だった、行け、ロトム!」 HPがちょうど半分のロトムが姿を見せる。これでジ・エンドだ。 だが慎重に行こう……思わぬ反撃を受けるかもしれない。 「身代わりを作れロトム!」 この戦闘中見慣れた身代わり人形が出てくる。こいつを破壊するには最低でも二回攻撃を加えなければならない。 もう勝利は目の前だ。 「そう来るのは分かってたよ、アンコールだ!」 「なにっ!?」 ライチュウがロトムに拍手をする、これでしばらくは身代わり以外の技を出すことができない。 無意味な身代わりを繰り出している最中に、悪巧みを積むライチュウ。 次も同じ行為を続けるロトムの身代わりに、10万ボルトがヒットした。 当然これで身代わりは消滅する。 そして、次の瞬間には再びライチュウが強力な電撃をロトムに加え ロトムは瀕死になってしまった。 これで俺のポケモンは最後の一体、だがそいつはライチュウでは絶対に崩すことのできない壁。 「くくく……まさかこれほどまでに熱い勝負ができるとはな。だがこれで終わりだ!」 最後のモンスターボールを投げる。その中から出てくるのは――――ラグラージ。 水、地面タイプを合わせ持ち、電気タイプの攻撃を一切遮断する。 「くそっ……電光石火だ!」 素早く動きラグラージに体当たりを加えるが、まるでダメージが無い。 「地震だ、砕け散れぇぇえええ」 地震が発生し、ライチュウを呑み込む。 その威力は、もともとダメージを負っていたライチュウを瀕死にするには十分すぎる威力だった。 ライチュウをボールに戻すのび太。勝った……俺の勝ちだ。 「俺の勝ちだ、さっさと仲間と一緒に立ち去れ!」 「まだ僕は負けてないよ」 なんだと!?ライチュウは倒したし、他のポケモンだって……ハッ ライチュウが切り札だとは一言も言っていない。俺が勝手に勘違いしただけだ。 「まだ僕のポケモンは一体残っているんだ、それはこいつだ!」 のび太が宙にボールを放り投げる。 そこから発生した光はどんどんと広がっていく、一体の生物のシルエットを描く。 それはやがてシルエットでは無く、現実のものとなる。 その正体は―――カイリュー 「こいつが正真正銘僕の最後のポケモン、そして最強の切り札だ!」 なんて威圧感……まるで伝説のポケモンと対峙しているようだ。 だがこちらにも勝機はある、ラグラージは氷タイプの技『冷凍パンチ』を覚えている。 こいつを一発でもぶち込めば、カイリューであろうと一撃で倒せるだろう。 「ドラゴンダイブだ!」「滝登り!」 技と技の激突、まさに一触即発と言える。 やがてお互いが弾き飛ばされるが、すぐにカイリューは体勢を立て直し、ラグラージに突進する。 ドラゴンダイブが命中し、苦痛の表情を浮かべるラグラージだが、致命傷には至ってない。 「反撃だ、冷凍パンチ!」 この攻撃が当たれば――――しかしラグラージは動こうしない。 「さっきのドラゴンダイブで怯んだみたいだね、次の攻撃で僕の勝ちだ! ドラゴンダイブ!」 三度ドラゴンダイブの体勢をとるが、ラグラージの方では無く、のび太の方に突撃しようとしている。 「そ、そっちじゃないよカイリュー! 向こうだよ!」 のび太の指示に対応することが出来ず、結局カイリューはのび太の周辺の地面に突撃してしまった。 そうか、ドラゴンダイブはあまり命中率の高い技ではない。 だからのび太の方向に…… のび太はなんとか直撃は避けれたようだが、足を痛めてしまい、動けないようだ。 そしてカイリューも同じ、頭を強く打ってボンヤリしている。 「最後の最後に不運だったな、これで本当に終わりだ……ラグラージ、冷凍パンチ!」 右手に氷を宿し、動けないカイリューに突進するラグラージ。 これで今度こそ―――― この瞬間、頭の中にある静止画が浮かび上がる。それは血塗れになっているのび太。 ……今、ラグラージで攻撃したら、カイリューが吹っ飛んで後ろののび太にまで―――― ナナシ ルカリオLv51、クロバットLv47、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 のび太 カイリューLv55、ライチュウLv47、アゲハントLv41、 ムウマージLv42、エテボースLv43 次へ
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キャラクターファイル目次 久下 真二郎 出典:オリジナル 登場作品:Insanity Destiny Insanity Destiny 日本の警察官。初登場時の名称は「警官A」。 警官になったのは雇用が安定しているからで、人と比べ特に正義感などが強いというわけでもない。 アメリカ合衆国大統領の娘である、アシュリーの捜索のためアメリカ政府から派遣されたエージェント、レオン・S・ケネディに協力するため派遣された。 レオンと合流し、アシュリーらしき少女が最期に目撃された区域に向かうが、そこで暴徒化した市民に襲われレオンとはぐれてしまう。 この際に同僚の「警官B」が死亡してしまうが、彼はなんとか無事だった。 避難所に指定されていた学校まで逃げ延びたところ、のび太と一緒にいたレオンと再会、以降は彼らと行動を共にする。 操作キャラクターとしてはハンドガンしか扱えず、近接武器も持たないため能力的にはぱっとしない。 体力は比較的高めなので、盾役くらいにはなるだろう。特技の「早撃ち」を使用することで、瞬間火力はある程度補える。 キャラクターファイル目次
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前へ ――トバリビル このビルの最上階には、俺を含むギンガ団の重役五人が集まっていた。 「突然の呼び出しすまないな」 「別に問題は無い、ちょうどジム戦が終わったところだったからな」 「そうか…ならよかった。今回の仕事は大掛かりなものとなるのだ」 今回の仕事……旅の途中でも、ギンガ団の行ってきた仕事をいくつか耳に入れたが そこまで目立ったことはしていなかった。でも……今回は違う。 なにか……大きな目的のある仕事だ。 「もうバッジを六つも手に入れたのか……」 サターンが無機質な目で俺を見つめる。 「シンオウのチャンプになれるかもね」 マーズがどことなく裏のありそうな顔をして、俺に話しかける。 ジュピターは真顔でアカギの顔を見つめていた。 「では話そう、今回の仕事の内容を……」 「ヨスガシティの近くにウラヤマという男が住んでいる、知っているだろう?」 前にのび太と静香の三人でお邪魔した家の主人か。 「そこの主人が、伝説のポケモンに関わる道具を持っているという情報を手に入れた 今からそれを奪い、伝説のポケモンを捕獲するのだ」 伝説のポケモンの捕獲……すんなり進む仕事とは思えないな。 「マーズ、ジュピター、サターン…… お前ら三人はウラヤマの屋敷を襲い、伝説のポケモンとかかわりのあるアイテムを奪って来い ナナシ……いやソーラ。 お前はハクタイにあるビルで待機していろ」 なぜ俺だけがハクタイのビルで待機していねばならないのだ…… なにか作戦があるのだろう、今はそれに従っておこう 「さあ行くのだ! ギンガ団の未来のために」 ―――ウラヤマ邸 ここには今、ギンガ団の三人の幹部と百人近くの下っ端が訪れている。 この館の主人ウラヤマは、椅子に座らされ拘束されていた。 「答えろ、伝説のポケモンと関連すると言われている道具はどこにある?」 「ワ、ワシは知らん! そんなものはこの家に無い!」 「あら、嘘はよく無いわよ、ウラヤマさん」 「誰かぁ~助けてくれぇ」 ここに勤めていたメイドと執事は、拘束され、別の部屋に監禁されてしまっているのだ。 「無駄よ、周辺に居たトレーナーは皆追い払ったし、 あなたの執事やメイドも別の部屋でお寝んねしてるわ」 「そろそろ吐いてもらおうか……伝説のポケモンと関わりのある道具の在り処を」 「し、知るか! ワシはそんなもの知らん。ホントじゃもーん」 「なら仕方が無いな……今からここの執事やメイドに話してくることにしよう、過去にあなたが犯した罪をね……」 この言葉を聞いたときに、ウラヤマの顔は青ざめ、目が引きつった。 『や、やめてくれぇ~そのことだけは誰にも言わないでくれぇ!』 ―――数年前 どこかに静かに佇む洋館。 ここには年配の男と、その男の娘が暮らしていた。 そして、その男の友人……それがウラヤマだった。 この男とウラヤマは、昔からの付き合いだった。 ある日ウラヤマは、『そこにある二つの石像を譲って欲しい』と言った。 軽い気持ちで言った。それほど値の張る物にも見えなかったのだから。 だがその男は拒否をした。 そこでもう一度ウラヤマは、石像の話を持ちかけた。 すると男は、普段の時には見せることの無いような顔でウラヤマを怒鳴った。 この時、ウラヤマの中には二つの負の感情が目覚めた。 それは『欲』と『怒』 二つの石像を手に入れたいという欲望、意味も無く怒鳴られたことに対する怒り。 ウラヤマの負の感情は、男……そして男の娘を襲った。 男と男の娘を殺害したウラヤマは、 我に返ったウラヤマは、自分の行った行為に嘆いた。 だが、ウラヤマは自分の欲望を優先させた。 ウラヤマは自分の執事を呼び、石像を運ばせようとした。 執事は拒否したが、ウラヤマの目の奥に潜む狂気に逆らうことができず ウラヤマの命令に従った。 この時にウラヤマは、なぜか石像を一つしか持ち帰らなかった。 家に持ち帰ったのは『満月の石像』だけ 対と成っている『新月の石像』は未だその洋館に放置されているのだ…… ウラヤマはその後、二人の死体を洋館のどこかに埋め、去っていった。 『言うな、言うなぁああああああああああああああああああ』 ウラヤマは目から涙を流し、狂乱する。 「あなたが私達に情報を教えてくれさえすれば、誰にも公表しないよ さぁ……教えろ、満月の石像はどこだ、どこに隠した?」 「そこじゃ……そこの床の下じゃ……」 涙の滲む目で、ある一箇所を見つめ続けるウラヤマ。 そこの床を外すと、中から石像が発見された。 「その石像を破壊すれば中から満月の石が出てくる……それが伝説のポケモンに関係してるはずじゃ」 「もういいじゃろ……離してくれ……ワシらを開放してくれぇぇ」 「まだもう一つ聞きたいことがある、お前が殺した男の在住していた洋館はどこだ?」 「ハクタイの森の洋館じゃ…さぁこれで―――」 「塩水!」「火炎放射!」「種爆弾!」「10万ボルト!」 突如、洋館内が攻撃される。 「誰だっ!?」 「お前らに名乗る名前なんて無ぇんだよ! ぶっ飛ばしてやれドダイトス!」 洋館内で盆栽のようなポケモン……ドダイトスが暴れだす。 他にも、エンペルト、ゴウカザル、ライチュウが居る。 「の、のび太君に静香ちゃん!?」 「はい、僕らが来たからには安心してください、ウラヤマさん」 のび太 ライチュウLv44 残りの手持ち不明 静香 エンペルトLv48 残りの手持ち不明 スネオ ゴウカザルLv45 残りの手持ち不明 ジャイアン ドダイトスLv46 残りの手持ち不明 「お前は……さっき追い払った餓鬼ぃ 仲間を連れて戻ってきやがったのか……」 ジュピターは憎々しげな表情で、ジャイアンを睨む。 「私達はギンガ団幹部だ、お前ら如きすぐに潰すことも可能なんだぞ」 『うるせぇ!』 ジャイアンが大声を上げる。それにギンガ団幹部は全員怯んだ。 「俺達はそんな脅しには屈したりしねぇ! 勝負だ、ギンガ団幹部共!」 ジャイアンが、威勢よく一歩前へ進む。 それに会わせて、他の三人も前へと進んだ。 「ねぇ……出木杉やナナシ君には連絡がつかなかったみたいだけど大丈夫なの?」 この威勢を掻き消すような声で、のび太が呟く。 一瞬だけギンガ団幹部が、驚いたような表情をしたが、すぐに普段の表情に戻った。 「あんな奴ら必要無いよ、それに僕らには最強の味方がついているからね」 「最強の……味方?」 この瞬間、なにかが部屋の中に侵入し、サターンに体当たりをした。 「な、なんなんだ一体!?」 部屋の中に入ってきたのは、かぎつめポケモンマニューラ。 「その子は私のポケモンよ……」 「「「お、お前は!?」」」 部屋の中に入ってきたのは、現シンオウリーグチャンピオン、シロナ―― 「なぜ貴様がこんなところに……」 「あら、この地方の悪を潰すのはシンオウチャンプとして当然のことでしょ?」 シロナは冷酷な視線を三人の幹部に向ける。 『くそ……今だ! 我々を援護しろぉ!』 サターンは発汗し、明らかに冷静さを失っている。 「無理よ、あなたの部下たちは既に私が全滅させたから」 「う、嘘でしょ!?」 マーズが外を見る、そこにはたくさんの下っ端とそのポケモンが地面にひれ伏していた。 「ちっ……こうなったら数で戦ってやる! マーズ、ジュピター、行くぞ!」 ギンガ団の三人の幹部は、手持ちのポケモンを全てその場に繰り出した。 「マニューラ、辻斬り!」 マニューラの鋭い爪が、フーディンを切裂く。 この攻撃でフーディンは戦闘不能となった。 「馬鹿ね……数で勝負をするならこっちが有利に決まっているじゃない」 ギンガ団側は三人、それに対してシロナ側は五人も居る。 数的勝負だったらシロナ側の圧勝。 なのに、それを挑んだギンガ団側の作戦負けだったのだ。 「くっ……」 「さて、あとはジュンサーさんに連絡を……」 「クククク……馬鹿め」 サターンがふらふらと立ち上がる。それと同時にフーディンも立ち上がった。 「そ、そんな!? なんであの攻撃を受けたのに立ち上がれ……」 立ち上がったフーディンには、何かの布切れのような物が持たされていた。 「気合の襷……この道具の効力は分かるよな?」 気合の襷、HPが満タンの時に瀕死になる攻撃を受けたとしても、HPを一残して耐える道具である。 「既に我々は欲しい情報は手に入れた。 後はあいつが実行するだけだ。これで我々は失礼させてもらう……」 「逃がすか! ドダイトス、種爆……」 『テレポート!』 フーディンと幹部達の周りが光に包まれる。 そして、一瞬のうちに消滅したのだった。 「ちくしょー、逃がしちまった」 ジャイアンが床に八つ当たりをする。 その間にマニューラが、ウラヤマを拘束していたロープを切裂いた。 「大丈夫ですか? ウラヤマさん」 「だ、大丈夫じゃ……」 口ではそう言っているものの、手は恐怖で震え、顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。 「……先ほどの話、聞かせていただきました……」 この言葉でウラヤマは脱力し、ヘナヘナとその場に座り込んだ。 「ウラヤマさん……」 のび太と静香は、ウラヤマを悲しむような目でしばらく眺めていた。 「それより大丈夫かよ! このままじゃギンガ団に石像が」 「満月の石像はなんとか守りきったわ、でも新月の石像は……」 「ハクタイの森の洋館……多分あそこに間違いないよ」 過去にのび太とナナシが一緒に宿泊した、不気味な洋館である。 「今から行っても間に合わないよ……」 「大丈夫よ、いま私の知り合いを向かわせたから」 「知り合い?」 ―――ハクタイの森、森の洋館付近 俺はサターンから連絡を受け、この森の洋館へと走って行っている。 元からこの森は暗いが、変装のために仮面を装着しているのでさらに視界は狭まっている。 できればこの仮面を外したい、だが誰かに姿を見られたらまずいからな。 この後も数分走り続け、ついに森の洋館へと辿り着いた。 過去に訪れたとき、また来ることになるかもしれないと思ったが こんなに早く訪れることになるとはな…… それにナタネから聞いた噂、その鬼の正体はウラヤマさんだったのか…… にわかに信じがたいな。 そろそろ仕事を始めるか…… 俺は森の洋館の門へと手をかけた。 『マジカルリーフ!』 俺の周囲を大量の葉が通り抜けた。 「シロナさんから連絡を受けてここに来たけど……」 この声と、マジカルリーフの技……やはりあの人か。 『ギンガ団! ハクタイジムリーダーの私、ナタネが退治してあげる!』 ナナシ ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv43、ラグラージLv46 のび太 ライチュウLv44 残りの手持ち不明 静香 エンペルトLv48 残りの手持ち不明 スネオ ゴウカザルLv45 残りの手持ち不明 ジャイアン ドダイトスLv46 残りの手持ち不明 「クロバット、翼で打つ」 クロバットは旋回し、ロズレイドにを羽で叩き付けた。 その攻撃でロズレイドは瀕死となる。 「つ、強い……でも私は負けない!」 既にナタネのポケモンを、二体撃破している。 それに対し、俺はまだポケモンを一体も消費していない。 だがまだ油断はできない。 「お願い、リーフィア!」 イーブイの進化系のリーフィア、防御が高いが 毒タイプと飛行タイプを持ち合わせるクロバットの敵では無い。 「電光石火!」「クロスポイズン!」 ――数分後、リーフィアは体中に傷を受け、横たわっていた。 「リーフィアァ!」 ナタネはリーフィアを抱きかかえている。 ジムで戦ったときに使用したポケモンは二体。 ロゼリアが進化したと思われるロズレイドと、ウソッキーは既に戦闘不能。 新戦力のリーフィアも倒した。もう手持ちは残っていないだろう。 「クロバット……催眠術だ」 「うっ……」 クロバットの催眠術を受け、ナタネは夢の世界へと落ちていった。 「これか……新月の石像は」 俺はナタネを倒した後、洋館内に侵入した。 そして俺の目の前には今、新月の石像がある。 「確かこれを破壊すればいいんだよな……ルカリオ、波動弾だ」 ルカリオが石像に手を置く、すると次の瞬間石像は粉々になった。 しかし、その中に一つだけ無傷の石がある。 「これが新月の石か……」 俺は新月の石をリュックの中にしまい、洋館を出た。 外へ出る、すると俺を待ち構えていた人間が居た。 「お前がギンガ団の最後の幹部か……」 トゲトゲした髪形で、狐顔の男――スネオだ。 「女性に手を上げるなんて野蛮だね、僕がぶっ倒してやるよ」 スネオは、腰に装着していたボールを持つ。 こいつにはトバリシティでの借りがある。 あの時の屈辱、ここで晴らしてやる。 「勝負だ!」 お互いにモンスターボールを投げた。 スネオの一番手はテッカニン、対する俺はクロバットだ。 「テッカニンのスピードに追いつけるかな? 剣の舞だ」 テッカニンが鋭い舞をする。攻撃力の増加か。 詰まれると厄介だ、一度の攻撃で叩き潰す。 「追いつく必要など無い、ブレイブバードだ!」 『なに!?』 テッカニンの素早さを持ってしても、ブレイブバードを回避するのは不可能だった。 クロバットの奇襲を受け、一撃で戦闘不能となるテッカニン。 「戻れテッカニン! 行って来いトリトドン!」 倒れたテッカニンをボールに戻し、スネオは新たなポケモン、トリトドンを繰り出した。 このポケモンは、カウンターやミラーコートを使いこなす反射型ポケモン。 ならこちらはこのポケモンで行こう。 「戻って来いクロバット、ルカリオ行け!」 俺がルカリオを出した理由はただ一つ、ルカリオには物理型と特殊型の二通りがあるからだ。 おそらく、スネオはこのルカリオがどちらの型だかは分からないだろう。 すると行うのは……普通の攻撃技だ。 「地震だ、トリトドン!」 トリトドンが地面を揺らし、衝撃波を発生させる。 「電光石火で木に飛び移れ」 ルカリオは素早く木に飛び移り、地震を回避した。 この行動でスネオは笑みを浮かべた。 「水の波動を木に当てるんだ!」 リング状の水が、木に向けられる。 「電光石火で背後に回れ……」 再びルカリオは電光石火を使用し、トリトドンの背後に回る。 この瞬間、スネオは満面の笑みを曝け出した。 『この瞬間を待ってたんだぁ! トリトドン、カウンターだ!』 「波動弾」 物理攻撃を反射するために待機していたトリトドンに 特殊技の波動弾が命中する。 隙だらけのトリトドンは、波動弾をモロに受け、一撃で戦闘不能になった。 「そんな……僕のトリトドンが……」 スネオが瀕死になったトリトドンを庇う、いい気味だ。 電光石火を使用し、ルカリオを物理型だと誤認させる。 そして、その後特殊技を使用すれば大きな隙ができ、波動弾は急所に命中するのだ。 「大丈夫か、スネオ!?」 この声はのび太……? 他にももう一人居る、あれはシロナ…… こんなに早く再開することになるとはな。 「大丈夫、ナタネ!?」 シロナがナタネを抱き起こす。 「う……シ、シロナさん?」 ナタネが目を覚ました。催眠術の効果が切れたのだろう。 「ごめんなさいシロナさん! 私……私……」 「謝ることはないわ、それよりもそこの幹部! 今から私が相手をしてあげるわ、今回は前みたいに手は抜かないわよ」 まずい……今の実力じゃシロナに勝利することなどできない。 「僕に続けさせてくれ、このままじゃ収まりがつかない!」 初めて見るスネオの勇姿、心に来る物がある。 だがスネオ……お前が勝利することは無い。 トバリシティでの怨み…晴らさせてもらう。 「行けぇゴウカザル!」 スネオの最強のポケモン、ゴウカザルが出てくる。 ルカリオとは僅かにレベル差があるが、それでも素早さで勝利できるかどうかは怪しいな。 「ゴウカザル、森に身を隠せ!」 ゴウカザルは飛び上がり、森の中へと去っていった。 「何の真似だ?」 「見てれば分かるさ」 これでは何を仕掛けてくるか、どこから仕掛けてくるかが全く分からない。 だがこれは致命的なミスだな。 ルカリオにとって、ゴウカザルとは天敵の様なもの。 それならば交換するのは当たり前の話だ。 スネオはわざわざその隙を、俺にプレゼントしてくれたのだ。 「戻れルカリオ、行けラグラ――」 『カクレオン、あいつの仮面を剥ぎ取ってやれ!!』 「なっ…しまっ……」 突然、俺の目の前にカクレオンが現れる。 その瞬間、俺の視界は一気に明るくなった。 ナナシ ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv43、ラグラージLv46 スネオ ゴウカザルLv44、トリトドンLv41、テッカニンLv39、カクレオンLv37 次へ
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パロ作品 ジャイアン「のび太!釣りしに行こうぜ?」 作者「99◆zF5sSu3Ubw」 この作品を読む 指定したページに飛ぶ 感想などコメントをお書き下さい 名前 コメント
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ドラえもん のび太のドラビアンナイト 【どらえもん のびたのどらびあんないと】 ジャンル アクション 対応機種 PCエンジン(Huカード/スーパーCD-ROM2) メディア 4MbitHuカード/CD-ROM1枚 発売元 ハドソン 開発元 ナウプロダクション 発売日 (Hu)1991年12月6日(SCD)1992年5月26日 定価 (Hu)5800円(SCD)4800円 判定 なし ポイント アクションゲームとしてはごく普通の出来ドラえもんのリアクションが楽しいHuカード版はドラえもん以外のキャラが空気 ドラえもんシリーズ 概要 主なルール 評価点 問題点 総評 概要 1991年に上映された同名アニメ映画のゲーム化にあたる。メインジャンルはスタンダードな横スクロールアクションである。 他のアクションゲームとしてのドラえもんゲー同様にプレイヤーキャラはドラえもんが担当する。のび太など他のキャラはイベントシーンで登場するのみに留まる。 Huカード版とスーパーCD-ROM2版のマルチリリースとなっている。当時のPCEは同じゲームをHuカード、CD-ROM2系の2メディアにて発売する事が時折あった。 SCD版はHu版の上位バージョンの位置付けにあたる。ゲーム内容自体は両者共に特に相違はない。なお、SCD版の方が販売価格が1000円程安い。 SCD版限定として「アニメシーン導入やアニメキャストによるイベントフルボイス化」「エンディングに映画版のテーマソングが流される」といった演出が追加されている。 本作の約2年前に同じPCEソフトとして『迷宮大作戦』がリリースされたが、それとはストーリーはおろか、ゲームシステムも完全に別物化している。 よって、本作は単にドラえもんを題材とした単独のゲームである。 なお、PCEのドラえもんゲーは本作が最後のリリースとなった。 主なルール 一人プレイ専用。全5ステージ(17エリア)構成。 操作系統。 方向キーにてドラえもんの移動操作。ボタンは各自、攻撃ボタンとジャンプボタンに使用する。 方向キー左右で前後移動。 方向キー下でうつぶせ動作。キー斜め下でうつぶせしながらの前後移動もできる。ただし、うつぶせ中は一切の攻撃ができない。 攻撃ボタンを押すと今装備している武器型道具(下記)の攻撃を行う。 ジャンプボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さによってジャンプ距離が変わり、ジャンプ中に方向キー左右である程度の移動調整が可能。ジャンプ中の攻撃も可能。 時折道端に根っこが植えられている。それに接近して方向キー下 + ジャンプボタンを4回押すと、根っこを抜き埋められた"ドラ焼き"が入手できる(*1)。 洞窟や部屋の入り口などがある場面で方向キー上を押すとその中に入れる。 エリアによっては水中での戦いとなる場面がある。ここでの操作は方向キーでドラえもんの移動、攻撃ボタンで攻撃となる。うつぶせなどの操作は水中では行えない。 SELECTボタンを押すとひみつ道具一覧リスト画面へ切り替わる。この画面では今所持しているひみつ道具の確認や装備・使用などが行える。RUNボタンを押すとポーズができるが、一覧リスト画面もポーズの機能も兼ねるので、RUNボタンの使用意義はあまりない。 その他、状況によっては「崖上の段差をよじ登る」「キノコに乗って大ジャンプ」などの特殊動作を要する場面がある。 ステージ構成について。 本作は最終を除く各ステージが4つのエリアに分かれており、該当エリアをすべてクリアしないと先のステージへ進めない。 各ステージの1~3エリアはゴールポイントであるどこでもドアをくぐればクリア。4つ目のエリアは奥に待ち構えるボスを倒せばそのステージがクリアとなる。 ステージ5(最終)はエリアが1つしかなく、エリアの奥まで進めばラスボス戦となる。 本作は一本道のステージセレクト制を採用しており、先のエリアに進むだけでなく前のエリアへの後戻りも行える。 一度クリアしたエリアはステージMAP画面にて再挑戦が可能。ただし、初回のステージ5だけは強制進行となり、ステージMAP画面に戻る事はできない。 エリアが始まるとドラえもん後方にどこでもドアが置かれている(初回のステージ5は例外)。これにくぐればステージMAP画面に戻れるがクリア扱いにはならない。 初回のステージ5をクリアし、エンディングを迎えた後にタイトル画面に戻ってコンティニューすると、ステージ5を含むすべてのエリアが再挑戦可能となる。 ひみつ道具、及びアイテムについて。 ドラえもんには多種多様な「ひみつ道具」を複数所持する事ができる。 ゲーム開始時ではショックガンのみの所持だが、エリア内の様々な場所に配置されているアイテムを取得する事により、所持できるひみつ道具の数が増えていく。 手に入れたひみつ道具の多くは一覧リスト画面に追加表示され、その中の武器型・消費型道具に関してはその中から選択(装備・使用)する事が可能。 入手できる道具は主に「武器型」「消費型」「自動型」「即効型」「ネタ型」の5つの分類に分けられる。 「武器型道具」は装備する事でドラえもんの攻撃として使用できる。使用回数はすべて無制限で好きな時に武器型の切り替えが可能。 「消費型道具」は使用するとその道具が消費されてしまう。所持中の道具と同じ効果のアイテムを取った場合、強制的に効果が発揮されるが所持分はそのまま残る。 「自動型道具」はエリア内の特定場所に近づくと自動的に効果が発揮される。使用回数は無制限。 「即効型道具」は取得した時点で効果が発揮される。他のアクションゲームでいうところのアイテム効果とほぼ同じ感覚といえる。 「ネタ型道具」は何かしらのお遊び演出が拝めるだけで、特にゲーム的な意味での効力はない。 登場する主なひみつ道具(アイテム)の種類は以下の通り。 + ひみつ道具一覧 攻撃型道具 ショックガン 初期装備。前方1方向に連射可能で一部の敵の動きを止める弾を発射する。攻撃力は低く、敵によってはダメージすらも与えられない場合がある。 くうきほう ステージ1内にて入手可能。前方1方向に強力な弾を発射する。連射は効きにくいが、攻撃力が高く敵によっては前方に吹き飛ばせる(一撃で倒せる)性能も持つ。 アタールガン ステージ1ボスを倒すと入手可能。ドラえもんの近くにいる敵にサイトが表示され、攻撃するだけで誘導弾がサイトを追尾してくれる。しかし、連射が非常に効きにくい上に、弾の動きが鈍いという欠点も持つ。 ヒラリマント ステージ2ボスを倒すと入手可能。敵や敵弾を画面外へと吹き飛ばす近距離専用のマント攻撃。他の武器型道具に比べリーチが著しく短いものの、吹き飛ばした敵を他の敵に当てて倒す事ができる。 ? ラスボス戦途中で入手可能。ラスボス戦でしか使用できない特殊な武器型道具。ネタバレの可能性があるので名称と性能の説明は割愛。その性質上非常に強力な攻撃だが、ラスボス戦を抜けると一覧リスト画面から消えてしまう。 消費型道具 タンマウォッチ 使用すると一定時間敵の動きが止まる。 バリヤーポイント 使用すると一定時間ドラえもん周りにバリアが張られ、触れた敵を吹き飛ばせる。ただし、完全無敵ではないので状況によってはダメージをうける可能性あり。 バリヤーオマモリ 使用すると一定時間完全無敵になる。しかしその反面、バリアーポイントとは違って敵を吹き飛ばす効果はない。 ぎゃくどけい ライフがなくなった時、1度だけライフが全回復する。ただし、持っているだけでは効果が無く、あらかじめ使っておかなければならない。 プカリクリーム 使用すると水面のある地形に溺れずに浮かぶ事ができる。使用したエリアを抜けるまで効果は続く。 いなずまソックス 使用すると一定時間移動速度が速くなる。また滝の急流を登れる効果もある。 自動型道具 しんかいクリーム 水中エリアにて効力が発揮される。通常は移動にクセが発生してしまうが、これを持っていると水圧の抵抗を受けにくくなる。 オールマイティパスAオールマイティパスB AとBの2種類が存在し、通常ではお目にかかれない特定のひみつの扉が開かれる。AとBによって開かれる扉に相違があり、両方持っているとすべての扉が開く。 かいそくシューズ 砂漠エリアにて効力が発揮される。通常は移動にクセが発生してしまうが、これを持っていると移動がしやすくなる。 スーパーてぶくろ ステージ3ボスを倒すと入手可能。壷や壁などに近づくと自動的にそれを破壊する効果がある。 カラオケマイクチアガールてぶくろガードセット 説明書にてその効力が書かれていない自動型道具。諸事情により効力の詳細は割愛。 即効型道具 タケコプター 一定時間空中への高速飛行ができ、完全無敵ではないものの敵を体当たりで倒せる効果も付く。時間を越えると強制的に地面へ落下する。 クイック 一定時間移動速度が速くなり、タケコプター同様の敵体当たり効果も付く。 ドラ焼きフルパワー 前者はライフが1回復、後者はライフが全快する効果。 1UP2UP 前者は1UP、後者は3UP(*2)する効果。 ランダム 何かの消費型道具がランダムで入手できる。 ミニゲーム 「あみだくじ」「たからさがし」「シャッフル」のミニゲームのいずれかが発生し、その結果によって何かの即効型道具が入手できる。 ネタ型道具 道具の一例としては「水中はなび」「オトコンナ」などがある。ゲーム的な意味での効力はないのは前に述べた通り。 ミス条件について。 ライフ制と残機制を兼ねており、ライフが0になると残機を消費してステージMAP画面に戻されてしまう。 ドラえもんの最大ライフ値は常時4、消費ダメージは如何なる敵ダメージでも1で固定となる。 エリア(ステージ)をクリアしても、消費したライフは一切回復しないままでステージMAP画面に戻される。 本作には原則として即ミスする様な落とし穴は存在しない。水辺に落ちて溺れてもミスではなくダメージすら受けないため、近くの足場に移動すれば復帰できる。しかし例外として、一部のエリアに設置されている流砂(何も操作しないと下に沈んでしまう)にはまると即ミスしてしまう。また、あるステージに存在する、降りてくる壁に潰された場合も、即ミスになる。 エリア(ステージ)クリア、もしくはミス後の復活時でも、一部例外を除けば所持している一覧リスト画面のひみつ道具はそのまま引き継がれた状態で再開できる。 評価点 アクションゲームとしての土台はしっかりと作られている。 際だって完成度の高い内容ではないものの、プレイヤーを問わず手堅く遊べるアクションゲームといった印象。 様々なひみつ道具を駆使して、バリエーションに富んだエリア(ステージ)を攻略するのが楽しい。キャラゲーだからといって作りの手は抜いていない。 比較的低めの難易度ではあるが、ゲームバランスの調整はなかなかのもの。 極端な難易度の偏りは皆無で、先に進むにつれ正当に難しくなっていくという流れ。確実にプレイヤーの腕前がオールクリアへと近づく模範的アクションゲーム。 「難しいエリアでも消費型道具の多用で切り抜けられる」という、極端に難易度がぬるくなりすぎない程度の救済措置が与えられているのも嬉しい。 前作の『迷宮大作戦』では目立っていた、ゲームとしての深刻なマンネリが大幅に改善が成されたのも評価したい。 何気に操作性が良質な部類。 キーレスポンスはかなり軽快で、操作性の悪さによる無駄な苦戦を強いられずにドラえもんを動かせるのは美点である。 意外と思われるかもしれないが、当時のナウプロダクション開発のアクションゲームは操作性が良い作品が多い(*3)。 「ドラえもんらしさ」を表現したグラフィック・BGM周り。 当時のPCEの中でもグラフィックの書き込みは非常に優秀、かつ映画版の世界観を上手く表現できているのは純粋に素晴らしい。 SCD版では映画版を彷彿とさせるビジュアルシーンもあり、より映画版に近い雰囲気が堪能できる。 ゲーム中のドラえもんのリアクションがやけに豊富で動かしているだけも楽しい。 事ある度に変化のあるリアクションがあり、ドラえもんに愛着が沸いてくる。この辺は良い意味でキャラゲーライクといえる。 BGMのクオリティも非常に高く、ゲームを盛り上げてくれる。 なお、『迷宮大作戦』とは違って「ドラえもんのうた」を良アレンジしたメインステージBGMは存在せず(*4)、オリジナル楽曲がメインとなっている。 問題点 プレイが長期戦になりがち。 『迷宮大作戦』にあったセーブ・パスワード機能が本作には一切存在しない。 他のアクションゲームに比べ迷路的な道のりの場面が多く、1エリアあたりのクリアが長めになりやすい傾向にある。 そういった環境の全17エリアをぶっ通しでプレイしなければならないのが地味にきつい。なお、SCD版のみではあるが裏技でステージセレクトができる救済処置はある。 ミスしてしまうとステージMAP画面に戻されてしまうのも長期戦に拍車をかける。 特にボスのいる各ステージの4つ目のエリアは他エリアと比べさらに長い道のりになる事が多く、ボス戦前後でミスするとかなりだれてくる恐れがある。 幸いにも(?)ボス自体は全体的に弱いので、そこまで進むと何とかなる事は少なくない。あくまでもボスの行動パターンが理解できればの話だが…。 充実すらもしていないオプション。 オプションの類は全く用意されておらず、一度ゲームをクリアしてしまうとそれ以上のクリア目的が見当たらなくなってしまう。 『迷宮大作戦』では複数の難易度が用意されていただけに、この辺はボリュームダウンしてしまった感を覚えてしまう。 ゲームとしての不備。 ドラミちゃんのミニゲームの1つに、パネルをめくって出た矢印の向きに進んで、最終的に辿り着いたパネルの道具をもらえる、というものがあるのだが、実は 矢印の向きを無視してめくっても何のペナルティも発生しない ため、好き勝手にめくることができてしまい、せっかくの仕掛けが全く無意味になってしまっている。何も書かれていない白紙パネルの存在も意味不明。 2-1には3UPがあり、壁をどうにかできる道具を入手すれば取れるが、ステージを出入りすれば何度でも取れるため、いくらでも残機が稼げてしまい、ある意味ゲームバランスを崩しまくっている。 映画版のイベント演出が薄い(Hu版)。 Hu版のイベントにおいては、誰も会話をせずにキャラのジェスチャーのみの表現になっている。 このため、映画版を知らない人からしてみればどういうストーリーなのかが直感的に分かりにくくなっている。 また、Hu版はドラえもん以外のキャラの登場機会がかなり抑えられており、ドラえもん以外のキャラはほぼ空気といえる絵面となってしまった。 反面、SCD版はフルボイスによる会話とアニメ絵が挿入され、ちゃんとドラえもん以外のキャラもイベントで登場する機会が増えている。 ストーリーやキャラのやり取りを本格的に堪能したい場合はSCD版の方が向いているのは間違いないと思われる。 とはいえ、Hu版も表現としては頑張っているので、アニメ演出よりもゲーム的な表現で楽しみたいというならばHu版の味わい深さも捨てがたい。 アニメのゲーム化においてはあまり珍しい事でもないが、恐竜時代や弥生時代に行くなど、映画版と話の設定が全く違う。原作と同じアラビア世界はステージ4でようやく登場、ボス撃破後原作の王様やアブジル、カシムが唐突に現れるが、あまりにも無理矢理。 とはいえ、アクション重視のゲームなので、よほど映画版ストーリーにこだわらなければ大して気になる問題ではないだろう。 総評 アクションゲームとしての出来はごく普通としかいいようがないレベル。特別凄いというべきものも、クソゲーととれるような酷い部分も見当たらない。 ストーリーを楽しみたいならSCD版、余計な演出抜きで楽しみたいならHu版がおそらくは適任だと思われる。どの道、アクションゲームとしての出来は全く差はない。
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第二学年 主教科旧約聖書 預言書 新約聖書 共観福音書/使徒言行録 新約聖書 パウロ文書 教会論 マリア論 秘跡論Ⅱ 聖体 時課と典礼年 人間論道徳学 教父学Ⅰ 教会史Ⅱ 中世 教会法Ⅱ 教皇庁 副教科霊性神学 聖書ギリシャ語 ゼミ神学Ⅰ 三位一体論神学の語彙の形成 道徳学 金融倫理 主教科 旧約聖書 預言書 イタリア人の旧約学者N神父による。 詳細 新約聖書 共観福音書/使徒言行録 ブラジル人の黙示録学者M神父による。 テキスト目次 新約聖書 パウロ文書 イタリア人のパウロ学者B神父による。 テキスト目次 教会論 ポーランド人の教会論学者M神父による。 テキスト目次 マリア論 テキスト目次 秘跡論Ⅱ 聖体 詳細 時課と典礼年 イタリア人の典礼論学者B神父による。 【典礼年 テキスト目次】 【時課 テキスト目次】 人間論道徳学 内分泌系の医者でもある倫理学者、F神父による。 前半は「性道徳・結婚道徳」。後半は「生命倫理」。現場を知る医師だけあって考察は実証的。 【性道徳・結婚道徳 テキスト要約】 【生命倫理 テキスト要約】 教父学Ⅰ 詳細 教会史Ⅱ 中世 詳細 教会法Ⅱ 教皇庁 詳細 副教科 霊性神学 詳細 聖書ギリシャ語 詳細 ゼミ 神学Ⅰ 三位一体論神学の語彙の形成 指導はイタリア人の聖霊論学者M修道女。三位一体論神学の形成において重要な思想家の著作にあたり、その語彙を見ていく。扱った作品は、以下のもの。 アタナシウス『アリウス派駁論』 アウグスティヌス『ヨハネ書講解』 テルトゥリアヌス『プラクセアス駁論』 ポワティエのヒラリウス『教会会議、もしくは東方人の信仰』 オリゲネス『ヨハネ書講解』 ニュッサのグレゴリウス『三神にあらず』 ナジアンゾスのグレゴリウス『御生誕の説教』 アウグスティヌス『三位一体論』 サン・ヴィクトールのリカルドゥス『三位一体論』 トマス・アクィナス『神学大全』 道徳学 金融倫理 指導はイタリア人の経済史学者M神父。教会史として経済史を概観した後、金融関連の教皇庁文書を読んでいく。 高利と正当な利子を区別することなく経済・金融活動に難色を示してきたカトリック教会だが、第二ヴァティカン公会議後、無視できない人間現実としてやっとこれに正面から向かい合うようになった。その流れで、道徳神学の一環として「金融倫理」なるものが教えられるようになったらしい。
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バーボン(雑談)スレのテンプレ(ルール) 必読 1用テンプレ やあ (´・ω・`) ようこそ、バーボンハウスへ。 このテンプレはサービスだから、まず落ち着いて読んで欲しい。 ここは、ドラえもんやのび太達がポケモントレーナーとして活躍する小説の、雑談スレの**スレ目です 作品投下はこちらのスレでお願いします(外伝スレ) http //game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/**********/ 小説読者、作者の皆様へ ▼作者の方は必要な時以外は酉を外すようにお願いします。 ▼作品の評価書き込みは冷静かつ客観的にお願いします。 ▼自分の気に入った作品の作者には応援書き込みをしましょう。 皆様の応援が作者の小説作りへの励みとなり、活力にもなります。 ▼作者を中傷すること、またその人を相手にすることはやめましょう。 関連スレは 2-5辺りに 最近は色々荒れたりする事が多いね・・・ だが、作者と読者が居る限り、このバーはまだまだ終わらないよ。 それはそうと、君はこのスレを見た時に「ときめき」みたいなものを感じただろうか? メール欄に[sage]と打ち込むだけで特定不能になる、そんな殺伐としたポケモン板。 その中で偶然……そんな僅かな確率で見つけたこの「ときめき」を、ずっとずっと大切にしてほしい、そう思っている。 ……おっと、ついつい長話をしてしまったね。 これは癖みたいなものなんだ、許してくれるとありがたい。 私は陰ながら君達の事、見守ってるよ。 2-5用テンプレ 前スレ http //game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/**********/ 外伝スレ 自分の書いた小説を投稿することが出来る http //game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/**********/ AAスレ AA作品専用スレ http //yy47.60.kg/test/read.cgi/ch2poke/1177234802/ まとめwiki 投下された作品はここでまとめて読める ttp //www21.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/ ポケモン関係SSwiki 1乙作品がここで読める ttp //www24.atwiki.jp/pokess-keeping/pages/4.html 外部板:ぽけもん板 ttp //yy47.60.kg/ch2poke/ ドラえもん・のび太のポケモン小説 ロッカールーム ttp //uzeee.orz.hm/bargiko/bargiko.php?type=game id=1175497168477 ※緑字部分のメッセージは、スレ立て毎に若干の改変可
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【ゲーム】ドラえもん のび太のBIOHAZARD(PC) 【作者名】終太 【完成度】完結(08/08/11~08/08/31) 【動画数】9 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/7926963 【備考】 はああああああああああああ -- なみ (2010-01-05 14 49 21) konnbannwa -- 7735 (2010-04-09 20 11 31) 名前 コメント
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キャラクターファイル目次 小池 麺菜 出典:オリジナル 登場作品:AnotherEdition AnotherEdition 骨川ビルに避難していた民間人。 「ラーメン好きの親戚の家に来ていたら」という彼女の台詞から、原作ドラえもんにも登場する「小池さん」の親戚(※)だと思われる。 (※劇中でものび太から「ラーメンというと……あの小池さん?」と言及されている。ただし、明言はされていない。) 余談ではあるが、ラーメン好きで知られる「小池さん」は、本来「小池さん家に下宿している鈴木さん」であり、「小池」は本当の苗字ではない。 しかし、表札に「小池」と書かれていたことから「小池さん」と誤認され、それが定着して今に至っている。 そのモデルは藤子不二雄Ⓐ/藤子・F・不二雄両氏の共通の友人である、アニメーターの鈴木伸一氏。 ラーメン好きの性格も、実在の鈴木氏に因んだものらしい。 因みに初出は「ドラえもん」ではなく、Ⓐ氏原作の「オバケのQ太郎」である。 キャラクターファイル目次
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ハナダジムを難なくトップ通過した出来杉は数枚の写真を見ながら考えていた (ライバルになりそうなのは…やっぱりしずかちゃんだろうな) 後半大事な局面で必ずぶつかるであろう最大のライバル 早めに潰して差を付けていた方がいいかもしれない 「…こっちから仕掛けてみてもいいかもな。 よし、行こうかリザード。」 そう言うと写真をしまって、元来た道へと歩き出した バッグにしまった写真の裏にはそれぞれこう書かれていた 【便利な金づる】 【将来負け組】 【脳みそきんにくん】 【俺のペットになってたら世界征服出来てた】 【しずかちゃんお風呂中!!part3】 レベル上げを済ませニビジムを突破したしずかは順調に進んでいた― しずか「やっと出口かぁ。無駄に長いのよ」 おつきみ山を出て空を見上げるときれいな月が出ている しずか「満月ね。星もきれいだわ さすが田舎」しずかは舌打ちをした。 (とりあえず今日は休もう) まだ先は長い。しずかはハナダの民宿に泊まることにした ポケモントレーナーのための民宿やホテルが各地にあるので、長期の旅でも支障がないようになっている そしてバッジの数によって泊まれる所のランクも上がるシステムだ しずかはポケモンセンターで泊まれそうな宿を捜した しずか「ごめんくださぁい。」 甘い声でしずかは入った そこは老夫婦がやっている民宿で普通の一軒家だ もちろんしずかはホテルが良かったのだがこの際文句は言うまい。 (しばらくの辛抱ね) しずかは話好きのお婆さんに愛想笑いを振りまき、適当にあしらった後で部屋に入った。 「話が長いのよ、あの婆さん。 ふぅ…」 今日はとにかく疲れた。一刻も早く癒さることにしよう 「まぁ、風呂の用意が出来てるだけあの婆さん救えるわね。」 しずかは三度の飯より好きなお風呂に入ることにした しずかは知らない そこで出来杉のコレクションが一枚増えることを カシャ 背後に気配を感じた しずか「のび太さん!?」 反射的にそう叫ぶと持っていた風呂桶を、入れていたお湯ごと投げつけた バシャーン! 逃げていった少年を確認しようとしたが暗かったため誰かまでは特定できなかった…しかし 「こんな所まで来て覗くなんて、もはや変態ね」 しずかには犯人がわかっていた しずか「あの出来損ないが。」 出来杉のガッツポーズと引き替えに、のび太にあらぬ疑いがかけらてしまった 一緒に忍び込ませたコラッタからの報告によると、もうすぐ契機が訪れるらしい… 後はポッポからの合図待ちだ ドキドキドキドキ 失敗は許されない。鼓動が高鳴っているのが自分でもわかる 出来杉「大丈夫、僕ならやれる。今までだってやってこれたじゃないか。」 出来杉はしずかちゃんのお風呂コレクションを見返しながら自分に言い聞かせた。 ポッポ「ポッポゥ」 ターゲットが風呂に入った合図だ! 数分ほど待ち、出来杉はタイミングを見計らっていた…そしてついにその時が来た チャンスは一度きり 窓の外からゆっくりとカメラを構え― カシャ 「のび太さん!?」 まずい気付かれた! 頭にお湯をかけられながら出来杉は必死に逃げた! まずいばれたか?作戦は完璧だったはずだなんだあの反射神経は?速すぎる僕がいっつもやっていたせいか?慣れてしまったのかどうしようもしばれていたら僕が今まで築き上げてきたものが崩れて落ちてしまう栄光の未来が無くなってしまう 出来杉はびしょ濡れになりながらも必死に走った! 今までの人生の中で一番走った! 出来杉「はぁ…はぁ…はぁ……」 どれ程走ったかはわからないくらい走って出来杉は草むらに腰を降ろした (どうしよう) 出来杉は考えていた のび太さんと叫んだところでは僕に気付いていなかった しかし後ろ姿を見られ、ばれた可能性はある ここでしずかちゃんと顔を合わせるのは不信感を持たれるかもしれないのでマズイ…というより恐くて会えない ―出来杉は【しずかちゃんアルバム2】を見ながら決断した 「しばらく隠れて先に行かせよう」 先に進むと追い付かれる可能性がある 万が一会って話し掛けられたらぼぼぼ僕は普通じゃいられない。 それよりも先に行かせた方が安全だ かくして策士出来杉は計画の変更を余儀なくされた その頃― コラッタとポッポは必死にご主人を捜していた ポッポ「ポッポゥ。ポッポゥ」 せつない声でポッポが鳴いている 主人とはぐれたのだ 短い間だったがポッポは、もうご主人のことが大好きになっていた ヒトカゲにやられそうな僕を助けてくれたご主人 どんな時にも臨機応変に対応するご主人 アルバムにどの順番で写真を入れるか考えているご主人 そんなご主人が大好きだったんだ! 絶対に見つけてみせる―とポッポは心に誓った そんなポッポは次の日、しずかのイーブイの糧となる もう12時を過ぎた。しかし出来杉は寝付けなかった。 枕下にしずかアルバム(通称しずアル)を敷いているにも関わらず、だ。 普段なら考えられないことである 【花田の八百屋】 出来杉がお世話になっている民宿だ その二階の部屋を出来杉は使わせてもらっている 出来杉はあの後自分の宿へ戻ったのだが― その時に気付いてしまったのだ 自分が泊まっている宿と、しずかちゃんの民宿がかなり近かったことに この辺りは入り組んでいるというのもあるが、しずかちゃんを追うことに夢中で出来杉は周りが見えていなかったのだ しかも宿を特定した後はすぐに風呂を覗ける裏口に潜んでいたから 出来杉が気付かないのも無理はなかった 出来杉「くそっ風呂のことしか頭になかった」 正直者の出来杉は頭を抱えた 本当は戻りたくなかったが荷物を全部置いているため戻らざるを得なかったのだ これでは鉢合わせの確率が高くなってしまう もちろんそんな偶然はなかなか起こらないだろう 出来杉が家の中にずっと居れるなら― そこに出来杉が寝付けない理由があった ポケモントレーナー達はたたで民宿に泊まらせてもらえる 代わりに何でもいいから、その家の人の手伝いをするのがルールとなっているのだ ただで甘やかしてはいけない。いい風習だろう しかし、それが出来杉を悩ませていた原因だった 出来杉は店番を頼まれたのだ。つまり外に出なければいけないのである それでは、しずかちゃんが民宿から出てきた時に気付かれてしまうかもしれない それだけは避けなければならなかった 「うーーーーん…」 いくら考えても結局完璧な答えは出なかった。 まぁ幸いしずかちゃんの民宿からここは、角度的に見えるかな?くらいなので店の影に隠れるようにすれば大丈夫だろう。 もし近くを通ってもその時だけ奥に行けば問題ない (意外と気にすることはないかな) 満足した出来杉の意識は薄れていった もちろん出来杉の考えは正しいであろう しかし世の中にアクシデントは付き物である 次の日宿代の代わりとしてお使いを頼まれたしずかちゃんが花田の八百屋を訪れるのだった かくして出来杉の第2Roundが始まった― しずか「それくらい喜んでしますよぅ。」 軽い物ばかりだが品目が20近く書かれたメモ紙とお金を渡されて、しずかはお婆さんにお使いを頼まれた。 サチコ「じゃあお願いしますね。」 しずか「はぁい。行ってきまーす。」 しずかはサチコに手を振って買い物に出かけた― 「ち、くそババアが。」しずかは舌打ちをした しずか「なあんで私がこんな面倒くさいことしなくちゃならないのよ。あんなボロ民宿、泊まってやるだけありがたいと思いなさいよ…金、持ち逃げしようかしら。」 と可愛らしい文句を言いながら買い物をして…いなかった しずか「ほら、イーブイ。あなたはこの町の外れのスーパーに行ってメモ紙に書いてある物を買ってくるのよ。難しいけどできるかなぁ?」 イーブイ「ブイ!」 しずか「そう、さすが私のイーブイ。普通のペッ…ポケモンとは一味違うわね。 私の自慢のポケモンよ」 そう言って頭を撫でた イーブイ「ブブイー」 イーブイはうれしそうだ (まあ普通の犬よりは使えるわね) 「じゃ、その間に私は残りの物を買うからね」 後は人参、白菜と玉葱だけですよ、しずかさん イーブイは何も知らずにうれしそうに駆けていった しずか「ふぅ…。しっかし、あの婆さんケチねぇ。 野菜は高いから八百屋で買ってきてなんて。たいしたもの作れやしないのに。ましてやあんな遠いスーパーなんて行ってられるかっつーの。」 しずかの毒舌はとどまる事を知らない。 「さっさと終わらせよ。ええっと花田の…八百屋…っと。あそこか。 …すみませーん。」 しずかが店に入った― 「…すみませーん。」 しずかは奥にいる少年に声をかけた 出来杉「はーい。いらっしゃjkvmぢg?kぎひでぶ」 目にも止まらぬ速さで少年は店の奥に走って行った― (ななななんあなんてことだ。ぼぼべ僕がどどどおわどをしてここにいることがわかったんだ?) 出来杉はパニくった 「おおをお落ち着けー考えろーいつもの自分を取り戻せー。」 出来杉はしずかが自分を訪ねて来た理由を考えた。そして― すぐに結論は出た (そうか、昨日僕の後をつけたんだ。そうだそうに違いない!僕を調べたんだ やっぱり僕がののの覗いたのがばれてしまったんだ) 焦りまくっていた出来杉がこの答えを出すのは仕方がないことだった 出来杉「終わりだ。もう終わりだー。僕の光り輝く未来へのレールが消えていく…」 出来杉の頭の中を今までの思い出が走馬灯のように駆けていった しずかは困っていた― 自分が声を掛けた途端奥にいた少年がさらに奥へと逃げていったのだ。姿はよくみえなかったが… しずか「あのーすみませーん?」 もう一度しずかは呼び掛けた。しかし返事はない (どっかで見たことある人だったわね。それにしても何をそんなに驚いてたのかしら?) と疑問に思いながら、しずかも考えていた (さては…)しずかが何かに気付いた― 「のび太さんね!」 そう、そう考えれば全て辻褄が合うのだ なぜ見覚えのある姿だったのか、なぜ自分を見て逃げたのか。 それならば話は早い しずか「待て、この変態!! 今日という今日は警察に突き出してやるんだから!」 出来杉はバッグを抱えて窓から飛び出した 涙を流しながら―